ある対称的な逆数和
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の3日目の記事です.
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今日は12/3ですね.
1,2,3を左から順に足していくと,
となります. これらの積の逆数を取ると,
です. さらに, の順番を入れ替えて, それら全部を足してみます.
.
さて, 今回は次を示します.
次対称群を で表します.
定理: 任意の数について, 次が成り立ちます*2:
.
帰納法で直接示すことも出来ますが, 今回は積分を用いた証明をします.
証明に移る前に, 計算を先に済ませておきます.
補題: 任意の正の実数について,
証明: についての帰納法で示す.
のとき,
のときに成り立つとすると,
より
(補題の左辺)
変数名を置き換えてのときの結果を用いれば
(証明終)
補題の左辺は
とも書けることに注意します.
定理の証明:
を変数としてみると, 定理の式は両辺とも係数有理式. 従って,の値域がに含まれるときに示せば十分.
とおく. 補題より,
ここで,被積分関数はについて対称な関数なので, 任意のについて
が成り立ち, よって
だが,
より,
(証明終)
2/10 追記: 続編を公開しました.